オフィスサーベイ Q and A  調査の準備

オフィスサーベイの準備段階のノウハウやTipsを質問と回答の形式で、優しく解説します。 なお、詳しく知りたい方は、マニュアルをご参照ください。

アクティビティ調査は5日間やる必要がありますか?

必ずしも連続した日でなくてもかまいませんが、五日程度行うことで、日ごとの特殊性が緩和され、 調査実施の労力と得られる信頼性とのバランスが良いようです。月曜から金曜まで、というのが一般的ですが、 木曜から休みを挟んで、翌週の水曜まで、というケースも可です。

一時間ごとに、どこにいて何をしていたか回答することになっていますが、 一時間の中で複数の場所にいて違うことをしていた場合、どのように回答すればよいですか。

その時間帯の代表的な場所(最も長くいた場所)と最も長くやっていたこと、をお答えください。 個々の回答は、当然誤差を含みますが、多数の人が回答する場合、統計的に実態に近い結果が得られます。

アンケート調査であるので、回答者の主観が入り込みます。うそを言わないとは限りません。

社員登録を行い、少なくとも調査主体は(必要なら)回答内容を回答者に確認することができるような シチュエイションの中で調査を実施します。かつ、仕事のしやすいオフィス実現のために必要な調査である旨、 主催者側から十分告知されれば、社員の方々にとっては、将来の自身の仕事環境につながる調査ということになりますので、 意図的にうそを回答することは、皆無ではありませんが、少ないと期待できます。 また、回答者の主観は入り込みますが、統計的に見れば個々の主観の部分は相殺され実態を反映する度合いが高くなります。(大数の法則)

社員名の登録に抵抗があります。

社員登録は、回答者が回答時に自分自身であることを確認できればよく、また、調査主体が必要であれば、 回答者本人に回答内容についてコンファームできる状況であればよいので、必ずしも実名である必要はありません。 部内で重複しないイニシアルを使用する、社員コードで代用する、などが、実際に行われています。

回答時、回答者が自分自身を特定するにはどんな方法がありますか?

まず、回答トップ画面で、ドロップダウンリストの中から自分の名前を探してクリックするだけ、という方式があります。 回答者に最も負担がかかりませんが、悪意のある第三者が調査サイトのUrlとコントラクトID、パスワードを調査期間中に取得した場合、 社員名を閲覧することができてしまいます。
二つ目は、回答者が自身の社員コードを入力することにより、 認証する方法があります。この方がよりセキュリティは、高くなります。
さらに、調査用の社員IDを臨時に決めて、主催者側から個々の社員に通知し、その番号を使用する方法もあります。 これが最もセキュリティは高くなりますが、主催者側の通知の手間がかかります。 どの方式を採るかは、調査準備段階で選択できます。

回答を他の社員に見られたない、という社員の意見があります。何か方法はありますか。

回答時に、一回目の回答をした後、回答者しか知らない個人パスワードを自分で設定することができます。 見られたくない社員は個人パスワードをセットすることで、他の社員が自分の社員コードを使用して回答内容を参照することを 防ぐことができます。

社員登録をせず匿名で回答し、その時に部門・職種を選択する回答方法はできませんか。

満足度/要望調査のみ実施する場合は、できます。
おっしゃる方法は、一般の社会調査などでは採用されていますが、同一人物の複数回答を阻止する手段がありませんので、 オフィスサーベイに採用することは、なるべく避けた方が良いと言えます。
しかしながら、個人情報保護の観点や、社内風土によっては、匿名でのアンケート調査で実施せざるを得ない場合もあります。
そこで、満足度/要望調査にのみ匿名アンケート実施機能を用意してあります。 この方法は、主催者側も回答者個々人は特定できませんので、回答者は気楽に回答できます。これが良い面も悪い面もあります。 本音が聞ける、という点ではよいのですが、極端に感情的な意見なども出てきます。それらに配慮しながら分析をすれば、十分有効な結果が得られます。

標準のアクティビティ項目を増やしたり変更することは可能ですか。

可能です。むしろ、仕事に合わせて、追加変更すべきです。 たとえば、01.定型業務データ処理、02.文書や表やプログラムなどを読み書きする行為、を、 PC上で行う仕事と、伝票など紙媒体主体で行うものとに分けて項目立てする、とか、 対面して話す行為を、指示命令報告、伝達相談議論、講義と受講、ブレーンストーミングなど発想ミーティング に分けて項目立てする、 など、考えられます。

機器の項目に機器以外の道具類や対象物を入れてもよいでしょうか。

ICTが発展していなかった昔は、紙媒体の台帳類が管理業務には欠かせないものでした。 現在はその多くをネットワークPCを参照することにより、利用することができますが、まだ、ICTの対象業務として 情報化されていない分野もあります。そのような台帳類は機器の一つとして、項目立てすることが有効かもしれません。 また、他社のカタログや刊行物資料など紙媒体としてしか存在しないものもそれの使用が必須の仕事があれば、 項目立てすることが考えられます。

場所・アクティビティ・機器などの項目数に限度はありますか。

システム上の限度はありませんが、回答者の選択のしやすさ、分析者の分析労力、グラフ等表示の見易さ、 などから、およそ30項目以内に厳選することをお勧めいたします。細かくデータを取ればより良いアウトプットが期待できる、 と思いがちですが、かえって大局を見失います。また、回答の労力は項目数にやや比例する程度ですが、 分析の労力は、項目数の二乗に比例するケースがままあります。

対象社員数約2000人のオフィスです。部門の数は、組織通りでは、100を超えます。このまま部門登録すべきでしょうか。

目的は、働きやすいオフィスを作ることですから、厳密に組織通りである必要はありません。 分析の労力はほぼ、部門数の2乗に比例して大きくなります。 職制上、部門が多数の場合は、以下の条件に照らして、集約することをお勧めします。
 ・類似の業務を行っている部門は集約する。
    たとえば、営業部で顧客の地理的条件によって部が分かれているような場合。
 ・組織図の下部が職種で分かれているような場合は上部の部門で集約する。
    職種分類でカバーできるので。
 ・部門配置上一体として取り扱うことが明白な部門は集約する。
このように工夫して、最大でも50部門以下に集約することをお勧めします。

職種の区別は部門ほど明確ではありません。どのように考えればいいですか。

事務作業を中心とする人、営業を中心とする人、店頭販売を中心とする人、デザイナー、 ソフトウェアエンジニア、オペレーター、管理職、役員、などなど。必ずしも職制上明確に分かれていなくても、 実質職務により分類することをお勧めします。厳密に言えば職種と職位は独立の概念ですが、 日常的に行っている仕事に注目して、実情に合わせて分類されることが有効です。プランニングの過程で、 職種単位に、仮のワークステーション標準を定め、全体計画を行っていく手法を適用する場合、キーになる分類になります。

対象社員の登録が結構大変のように思います。

まず、部門と職種の分類内容を確定させ分析システムに登録したら、数名の社員を登録し、 その内容を社員登録用CSVファイルフォーマットで出力します。これを、エクセルに読み込んだものを、 社員登録用エクセルサンプルとして使用します。横の列の項目とその順番を変えないよう、エクセル上で、 入力し、コピー&ペーストなどを使用して、全対象社員の登録原稿を作成し、エクセルからCSVファイルに出力し、 分析システムにアップロードすることにより、一気に登録することができます。
詳しくは、管理マニュアル 6.2 CSVアップロードによる社員の登録・編集 をご参照ください。

満足度調査の質問項目数の制限はありますか。

システム上の制限は、70項目です。しかし、30項目を超えると、グラフ類は、込み合ってかなり見にくくなります。 回答者の負担も比例して増えますので、30項目以内に厳選されることをお勧めいたします。

満足度調査の要望記述欄の字数は制限がありますか。

システム上の制限は、4000文字ですが、デフォルトでは、スーパー管理者による環境設定で、200文字に制限しています。 これを変更することはスーパー管理者権限でできますが、あまり大きくなさらないほうが、よいと思います。 字数を大きくとると、中には、2時間もかけて思いのたけを縷々とご回答なさる方もいます。要望調査は記述式であっても、 あくまで統計的に傾向を見る材料です。個々のご回答にそのまま反応するのではありません。 その意味でも、200文字程度に制限して、回答者自身に優先順位の高い意見をご回答いただくよう促したほうが、 よい結果が得られます。

近接要望調査の近接要望度は変えられますか。

変えられません。強、中、弱、要望無し、離れていたほうが良い の5段階です。ただし、各近接要望度の表示は変更できます。 通例、“強”は隣接と表示しますが、中、弱、は、オフィスの規模や建物の形状によっても適切な表現が変わりますので、 修正して使用されるケースが良くあります。

近接要望調査の機能ゾーンには分散配置されるものも含まれますか。

含まれます。むしろ、分散配置して各部門の近くに置き、機能を提供すべきか、まとめて配置すべきか、 を決定するための材料となりますので、積極的に入れるべきです。オープンまたはクローズドのミーティングスペース、 共用収納スペース、コピー機などのユーティリティスペース、リラックスゾーン、などなど。

3つの調査を同時に実行するメリットは何ですか。

三つの調査を、個々に実行するよりも、手間がかからない、というメリットはありますが、最も大きなポイントは、 三つの調査が、相互に補完しあう関係にもあるということです。
満足度調査でミーティングスペース不足、などの意見が多く出された時、 自席スペースを削ってでもミーティングスペースを実現すべきでしょうか。
このようなとき、アクティビティ調査の “対面して話す行為”の統計がその裏付けデータとなります。時間数多く、そして、本来の場所以外の場所で “対面して話す行為”が行われているとき、満足度統計のミーティングスペース不足の結果が裏付けられますので 大胆な対応が必要となります。また、これは、近接要望調査のミーティングスペースへの近接要望としても現れるでしょう。 このように、三つの調査を関連させることにより、より強力に意思決定を促すことができます。